失敗の「原因」を考える・・?
STAFF BLOG
失敗の起こり方を分類し、体系化、構造化することで、なぜ失敗したのか?
失敗の「原因」を考え、たとえ事前に防御できなかったとしても、起こして
しまった失敗については、しっかりと振り返って検証し、同じ轍を二度とは
踏まないようにするくらいはしたいものですね。
失敗の責任の所在によって、原因を分類することができるのです。
「誰の責任でも無いもの」として「未知」が挙げられます。未曾有の大災害や、
近未来に爆発的進化するであろうAIによる影響など。
もう少しマイルドに「個人・組織のいずれの責任にもできない原因」としては、
「環境変化への対応不良」である。新しい企画を始める際に想定している外的条件
が時間の経過と共に変わってしまっているというのに、その変化に十分対応できて
いないことである。
◎そして「個人」に起因する失敗の要因が5つ挙げられる。
「無知」
すでに失敗の予防策と解決法があるのに、それが全く認識されていない。
個々人の能力、適性、スキルが合格水準に到達していないのに重要な課題
に携わってしまっている。不合格者自身が不合格であることに気づかない。
本人のみが、それを知らない。人がどんどん変わる職場では、しばしば
この問題が発生するのです。
「不注意」
言葉通りである。うっかりミス、チェック漏れなど。求められる水準に
必要とされるレベルの慎重さに欠けている、不適格者が紛れ込んだ場合
に起こる失敗である。適材適所というバランスが崩壊した状態である。
疲労や体調不良、悩み事などで注意力が低下している状態も含めである。
「手順の不遵守」
規則が徹底されていなかった、行うべき連絡をしていなかったなど。
物事を順序立てて、計画的に目標を達成するという、サイクルや、
工程が理解できていない。上手く行かないことを他人のせいにする。
知識レベルの低さ、経験値不足、技術不足、非常識、未成熟による。
「誤判断」
狭い視野、誤った理解、間違った認知、状況に対する誤判断。
そもそもの認識を誤った場合と、認識はあっていたが、それについての
判断を間違った(判断基準が間違っていた)場合がある。自己認識、器量、
セルフコントロール、マネジメントの欠落が主たる原因である。
客観的事実に基づいて、冷静に自己にとって何が必要かを選択するという、
一見、当たり前のことが案外できていないものである。
「調査・検討の不足」
決定に至るまでに十分な検討や調査をしていなかった。決定する者が優秀なので
あれば、自己判断に間違いが発生することも事前に想定した上で対応策を配慮して
いるものなのである。
◎組織に起因する失敗の要因としては3つ。
「企画不良」
企画や計画そのものに問題がある失敗。企画が前任者や上司の発案によるもの
であったりする場合。先見性の不足や想定の甘さによるもの。採算性ではなく
見栄やプライドを優先してしまうことも方向性を間違う要因である。
「価値観不良」
異文化の理解ができていないこと、組織文化不良(不正が発覚しない)、
安全意識不良(利益追求のみで安全をないがしろにする)、も価値観不良
といえる。異文化については、ドルチェ&ガッバーナの広告の中国人表現
が引き金になった大規模な不買運動が顕著な例だろう。自己の価値観のみ
の範疇に全てを納めようと、半ば強引に傍若無人な振る舞いをすること。
「組織運営不良」
組織自体が、きちんと物事を進める仕組みになっていないために起こる失敗。
トップには、そのような組織運営を修正して、きちんと機能させるべき責任が
あるが、その点を見逃したり認識できないまま問題を大きくしたりするケース。
人員配置が適材適所ではないと頻繁に失敗が発生するのは当然である。
この様な知見をもとに、過去の失敗を直視して振り返る。そして失敗の原因を
正しく見極め、組織のトップはそこから、しっかりと学ぶことが間違った意志
決定をしないために重要である。
失敗を無かったことにする組織に
ならないためには
失敗を失敗として認め、常識や判断の軸を含めて検証・反省して対処する。
そおすれば会議のあり方も、調査検討の方法も変わってくるだろう。
色々できることは、山ほどあるはずである。
但し、失敗を失敗としてまともに認識しない様になってしまうと、もう歯止め
は効かない。この場合はどうしようもない。偉い人の決定による大失敗を
「無かったこと」にする組織も散見される。ただ傷口を舐め合うのみで、何ら
ペナルティも与えられることなく。調査も検証もされず、資料も公表もなく、
そういう組織では、永遠に失敗は起こり続けるであろう…。